手紙をしまおうとしたときのことです。斜め後ろになにやら人の気配。
「どっからの手紙ー?」
奥方様です。なにか都合の悪いとき,おいしい話しのとき,必ず嗅ぎつけるその嗅覚!
「いや,なんでもないよ」
「なんかフランスとか書いてあったじゃない?」
敵が声をかけてくるときは,すでにその内容をかなり把握しているときなんです。
「んー,まー,えーと,そのー」
「ちょっとー,それ見せて,見せて」
気がつくと,もう手紙は敵の手に渡っています。
「まーすごいじゃない,フランスへ行けるのねー」
「いや,それはそうだけど仕事は忙しいし息子のこともあるし,それに狭心症だし・・・」
「だーいじょーぶヨー。うわぁー,パリに二泊だって。
こんな機会はもーないヨー。んまー,シャンゼリゼだって。
心配だったら私がどうにかしてついてってあげるからサー。へぇー,プロバンス。いーなー。
いきなさいヨー。ほーら,実費で付き添いOKだってー。ス!・テ!・キ!。
ぜったい,ぜーったい私がつれていってあげるからサー。さー大変だー,支度しなきゃー。」
息子ふたりも「行け,行け」言うしで,とうとういく羽目になってしもうたとです,手弁当持参で。 |